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21世紀への新しいビール世界 -2001.01.01-21世紀についに突入しました。日本のビールはこれからどのような方向に進んでいくのでしょうか。。。 日本最初のビールは明治2年(1869年)につくられました。アメリカ人ウィリアム・コープランドが横浜山手の天沼にスプリング・ヴァレー・ブルーワリーを設立し、「天沼ビアザケ」を醸造したのです。その後20数年の間に、キリンビール・アサヒビール・サッポロビールの前身となる会社が次々と生まれていきました。当時のビールは、ボヘミアタイプの本格的なラガービールであり、ヨーロッパの品評会でもドイツ人に絶賛されるほどのものであったと言われています。 では、今日の状況はどうでしょうか。日本のビールは急激にライト志向になりつつあります。大手メーカーのビールは、すべて、コーンやスターチ、あるいは米などの麦芽以外の原料が使用されています。さらには麦芽がほとんど使用されていない発泡酒なども発売されており、もはや本来のビールとはますますかけ離れようとしています。もちろんライト志向は日本だけではなく、ベルギーなども含む世界的な傾向なのですが、欧米では同時に本物志向への社会的な動きも行なわれています。大手メーカーの経済原理によるビール醸造だけではなく、味や香りを原則としたビール作りもちゃんと行なわれているのです。 日本でも1994年から地ビールが解禁になりました。そして現在では約300社のメーカーが活躍するに至っています。しかし、消費者に、ビールがいろいろな種類のある飲み物であることが、なかなか浸透していません。ビールは細かく分類すれば、約70種類もスタイルがあります。日本では、飲み屋に行けば「とりあえずビール」と注文されるほど、味も銘柄も種類もこだわられていないのが現状です。世界的なビール評論家、マイケルジャクソンは次のように述べています。 “レストランに入って「食べ物」と注文する人はいないでしょう。「ワイン!」とも言わないはずです。少なくとも赤か白か、辛口か甘口か、スパークリングかそうでないか、くらいは選びます。赤ワインを飲むと決めたとしても、さらに米国、オーストラリア、イタリア、フランスなどの国を選び、さらにブルゴーニュか、ボルドーかという産地やヴェニヤードからヴィンテージまで考えて注文することもあります。”(ビア・コンパニオン 日本語版 日本地ビール協会) ワインだけでなく、ビールにも、たとえば、ピルスナータイプかエールタイプか、色はどうか、またエールの中でもイングリッシュタイプかビターか、といった選択肢があるのです。しかし日本では、なんでもかんでもビールはビール。ある外国人は、日本で一番売れているメールの銘柄は「とりあえず」だと思ったというほどです。 たとえこのままライトビールの主流が続いたとしても、それと同時にいろいろなビールを味わいたいと思う消費者が増え、そういうビールを提供する酒屋・レストランが増えていって欲しいと私は思っています。 ●21世紀に残すべきビール ついでに、21世紀ということで、21世紀に残すべきビールを紹介したいと思います。残したいビールは、いろいろあります。というか、いま存在するビールが全部、残って欲しいと思っています。
残すべきビール。それは、1999年のキリンビールのプレゼントキャンペーンで特別に醸造された復刻ビールの中の「昭和18年のビール」です。復刻ビールは、「明治」、「大正」、「昭和初期」、「昭和18年〜」、「昭和24年〜」、「昭和32年〜43年」の6タイプありました。その中で「明治」のビールが一番、味・香りともに素晴らしく、年を追うごとに美味しくなくなっていきます。特に終戦2年前の「昭和18年〜」の不味さは特筆すべきものでした。ラベルも1色の印刷だし、デザインも非常に寂しい。 逆に言うと、『戦争をしたら、こんな不味くて寂しいビールしか飲めなくなるのだ!』ということです。 21世紀のはじめからこんな話をすべきではないのかもしれませんが、私は、あえてこの不味いビールを後世に伝えていくべきがあると感じ、ここに紹介いたします。 ―――END |
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