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サントリー白州醸造所訪問! -Part 4-


 さて、前回お話したニューポット。これはできたての蒸留酒なので、無色透明である。そう、生まれたばかりのウィスキーは色が付いてないのである。樽に詰められゆっくりと貯蔵されることではじめてあの琥珀色になり、ウィスキーになるのである。じゃなきゃ、単なるスピリッツにすぎない。

 私そう、今回はスコッチウィスキーで、最も重要視されている樽熟成のはなしである。

 熟成には、高品質の樽が必要になる。たとえば、木の種類であるが、ミズナラ、コナラ、ナラガシワなどのコナラ属の木でないと、ウィスキーの琥珀色や豊潤な香味は得られないらしい。

 新しい樽は、木香(きが)が強く、熟成も早い。しかし、樽は使い込むことによって、木香が上品になる。一般的に、バーボンやシェリーで使用された樽がウィスキー用に再利用されるのはこのためである。長期熟成用の樽には、こうした良く練れた樽が使われている。

 いま現在のサントリーウィスキーは、まずいけど、それはね、モルトの品質の差だけじゃないと私は思っている。前回、山崎のシェリー樽12年とマッカラン12年を比較したけど、やっぱりシェリー樽の品質にも差があるのではないか。工場長は醸造工程が一番重要だというが、じゃあこの差は一体なんなんだろう。

 シェリーづくりは、今日、大きく2つのタイプに分けられる。大手メーカーの大量生産と小規模メーカーによる手作りのものだ。大手メーカーでは、フローラという微生物が作りだす黴(麹だったかな?)の花を人工的に殺してからシェリーを樽に詰める。一方、良心的なメーカーではこのフローラが自然に死滅するのを待ってから樽詰するという。いわゆる、アルマセニスタがつくるアモンティリャード、というやつだ。

 サントリーとマッカランが、どのシェリー樽を使っているのか知る由もないが、サントリーとスコットランドの伝統と歴史をもったマッカランじゃ、手に入るシェリー樽に違いがありすぎるような気がする。

 話は変わるが、下の樽の中を燃やしている写真を見て欲しい。これはRe-charという作業である。工場長は略してリ・チャーと言っていたが、たぶん正式にはRe-charcoaling(再炭化)だと思われる。

Re-char-1 Re-char-2


 ウィスキーの複雑な香りや味は、樽からさまざまな物質が溶けだすことによってうまれる。しかし、一度使用した樽は、熟成力が弱まる。そこで、このように内部を燃やすことで、熟成に必要な活力を呼び戻すのである。これが、Re-charという作業である。樽はRe-charを行なうことで、4〜5回、再利用が可能になるということだ。

 ところで、この2つの燃えている樽の写真を見比べて欲しい。左は、樽の中に入っていたアルコールが燃えているところである。なんとなく、炎が青いでしょ。それがしばらくすると、実際の木に燃え移って右のようになる。火の粉を飛ばしながら、赤く勢い良く燃えているのがわかる。この時、木はバニラのような香りを漂わせはじめる。この香りが重要な役割を果たすらしい。また同時に、『パチッ、パチッ』と音がして、木に新しいヒビが入る。このヒビからさまざまな物質が新しく溶け出すことができるのである。

 Re-char作業は、かなりの訓練が必要になるらしい。しっかりと燃えないとバニラ香りが十分にでず、熟成力が再生しない。また、燃やし過ぎてもいけない。最も熟成力が高まるポイントを見極めるには、約10年の月日が必要だとか……

After Re-char 右の写真は、Re-charが終わった後の樽の内部である。あまり上手く撮れていないが、なんとなくヒビ割れがわかるだろうか。細かい燃えかすや炭がついているがこのままウィスキーを詰めるらしい。炭は後でフィルタリングされるということだ。

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