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どーでも良い、アサヒビールとキリンビールのシェア争い2002年、まず最初にビール業界の話題をさらったのは、『アサヒビール、ビール・発泡酒の合計出荷量で48年ぶりにキリンビールを追い抜いた』というものでした。 大手ビールの動向は、日本の経済において重要なことですので、こういった話題が大きく取り扱われるのは当然の事です。しかし、各新聞・メディアの報道はあまりに画一的すぎないでしょうか。 これは両社の闘いであるであるので、こんなことを言うのは見当はずれなのかもしれませんが、私は『アサヒビールとキリンビールを同じように比較してしまって良いのか』、また『ビールと発泡酒を同じように比較してしまって良いのか』と考えています。 ● まず、ビールについての私の見解です。ビールは古代エジプトでは、労働者の給料として払われていました。カロリーが高くさまざまな栄養素を保有しているビールは、人間の体を形作る健康飲料でもあったのです。もちろん、飲み過ぎれば毒になりますが、戦後の貧しい日本において、ビールはこうした役割を果たしていたのではないでしょうか。 しかし、バブル時代を迎えた日本で、私たちは生きていくのに充分なカロリーや栄養を、通常の食事や間食で、取ることが可能になりました。実際、いまでは過剰摂取の傾向にあるといえます。ここで、ビールはカロリー補給という影の役割を果たす必要がなくなり、単なる『とりあえず飲むアルコール』という位置付けになったのではないでしょうか。 消費者は、ますますドライでライトなアルコールを求めています。これはビールだけではありません。カクテルのレシピも、1900年代のはじめのころと現代のものを較べてみて、同じような傾向にあります。100年前のレシピではどれも甘過ぎて、現代の私たちが飲むにはちょっとつらすぎます。 こうしたニーズをいち早くとらえたのがアサヒビールではなかったか、と私は推測しています。そう、ドライビールです。ドライビールは既存のビールファンを捕らえたのではなく、ドライでライトなアルコール飲料を求める新しい消費者(市場)を獲得していったのではないでしょうか。 確かにアサヒスーパードライは、日本の酒税法上ではビールと定義されていますが、私はどちらかというとチューハイやカクテルなどと同じ部類の飲料であると感じています。 ちなみに、アサヒの発泡酒『アサヒ本生』は、『アサヒスーパードライ』の出荷量の10%をカニバってしまったといわれれています。これは、少なくとも『アサヒスーパードライ』の消費者の10%が、同製品を発泡酒と同じ感覚で飲んでいたという証明のひとつにならないでしょうか。 ま、これは嗜好の問題なので断定はできませんが、こうしたことからアサヒはビールではないドライでライトな麦芽アルコール飲料を作っている会社であり、キリンはまぁビールに近い飲料を作っているメーカーであると私は感じています。ですからまったく業界の違う両社を比較して何の意味があるのか、といつも感じてしまうのです。 この考えは発泡酒についても同じです。どの大手メーカーも発泡酒を低価格でライトな味のビールであるようなアピールの仕方をしています。まぁ、基本的に発泡酒とビールの違いは、麦芽の使用量の違いにすぎないので、これは仕方のないことだと思いますが。しかし、発泡酒の味は、ビールではないことは明らかです。どちらかというと、麦芽を使用した炭酸アルコール飲料=カクテルのひとつに位置付けられるのではないでしょうか。 アサヒとキリンは会社同士の闘いなので、ビールと発泡酒を合計した出荷量ベースで競われているのだと思いますが、これもビールメーカーにとってはいい迷惑な話ではないでしょうか。 日本の法律でも、『ビールは麦芽100%!』と定められるようになって欲しいものです。そして、麦芽の使用量が何%かっていう税法上の低レベルな話はもうやめて、麦芽100%のうち、ピルスナー麦芽が何%なのか、クリスタル麦芽が何%なのか、という話題にシフトアップして行って欲しいと心から願っています。―――END |
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