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ベルギービール紀行 - Cantillon社訪問ベルギーを訪れる際、どこかの醸造所にも訪問したいと考えていた。私が訪れる予定の街にあるいくつか醸造所は、一般人の訪問を受付けてはいたが、事前予約を必要としていた。 ランビックで有名なCantillon社だけが、いつでも訪問OKということであった。同社の場合、醸造所の訪問を受付けているというより、ビール博物館として同社の施設を一般に解放しているのだ。こうした理由で、私たちは滞在中、気が向いた時にCantillon社を訪れることができた。 Cantillon社は、家族経営のこじんまりとしている醸造所だ。すべて手作りにこだわっていて、瓶詰め作業もマニュアルで行なっているという。空気中に存在する野生酵母によって醸し出されるランビック・グーズは、数あるランビックの中でもひときわ個性的な味である。伝統あるこの施設を訪問できて、私は本当に幸せだった。
私たちは、他2名のビジターとともに、施設を案内してもらった。規模もそれほど大きくはなく、20分もあれば全部を見て廻ることができた。 ところで、ランビック・ビールの醸造所の特徴をご存じだろうか。ランビック・ビールは、空気中に存在する野生酵母によって醸造される(現在、ランビックに作用するものとして、86種類の酵母が発見されている)。そのため、施設の環境(生態)を破壊しないように最大限の注意が払われている。たとえば、ランビックの施設では、掃除をしない!施設に住み着いた酵母を殺さないためである。また、通常のビール醸造方法では、醸造の際、きちんと蓋をして雑菌が入らないように管理されている。しかし、ランビック・ビールでは、野生酵母を取り入れるために、蓋をしないオープン形式の醸造方法を採用している。そのため、麦芽の甘い香りにつれられて、蝿などのさまざまな虫がやってくる。これを防ぐのが、施設内にはり巡らされた蜘蛛の巣である。 そう、ランビック・ビールの醸造所では、掃除をしない!、蜘蛛の巣を壊さない!のである。私はこの事実をあらかじめ知っていたが、実際に見てみて、ホントにここまで汚いのか!と、少なからぬカルチャーショックを覚えた。右の写真は、同醸造所の天井である。醸造所内は、どこもかしこもこんな感じであった。私が疑問に思ったのは、確かに蜘蛛の巣は、虫の進入を防ぐかもしれない。しかし、蜘蛛は食べ終えた虫を下に落とす。オープン形式の麦芽タンクの上で捕われ、食べられた虫は、必ず麦芽の中に入るはずである。住み着いている野生酵母を守るためとはいえ、科学が発展した今日においてもここまでやる必要があるのかなぁと感じた。
ちなみに、右の写真が、オープン形式の麦芽タンクである。厳密には、これは麦芽の冷却タンクである。この浅くて大きな箱に、熱して糖化させた麦芽を流し込むのである。ここで驚いたのが、タンクのすぐ脇に、猫が2匹、ひなたぼっこをしていたことである。写真は何も入っていない状態であるが、翌日には麦芽をここに流し込むと言っていた。猫からの雑菌はどうするのか。それとも、猫はネズミを捕るから飼われているのか。。。
施設を一通り巡ると、最後にランビック・グーズとフランポワーズを飲ませてもらった。グーズはもちろん、フランポワーズでさえ、酸味が高くて、日本人にはきつい味であった。が、これが本当のクラシック・ランビックなのだという。 醸造所では、樽の洗浄を見ることもできた。なんと、樽の中に金属製の大きなチェーンを入れ、機械で樽をぐるぐると回しているではないか。本当にこんなことで洗浄できるのか。ますます、ランビックがミステリアスなものに見えてきた。。。 ―――END |
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