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干涸びたチーズ


 どうも私もミーハーだなぁと思う。

 いま話題のミモレットをついつい購入してしまった。小泉首相と森前首相のおかげでだいぶ売れ行きが上がっているらしい。

 私が買ったチーズ専門店の方は、ワイドショーの放送でこんなに反響があるとは、これまでの私たち(お店の方たち)の販売努力は一体なんだったのか?と嘆いておられた。だから私は、以前、私が制作したセミナー案内広告で誰からも電話が来なかったんですよ、一般人なんてそんなものですよ、と答えておいた。しかし、これで当時の私に責任がなかったことが証明されたようで、ほっと胸をなでおろした。とっくに手後れだけど。

 さて、ミモレットの話題をご存じない方のために解説すると、2005年8月6日の夜、衆議院の解散をやめさせようと、森前首相が小泉首相のところに説得しにやってきた。小泉首相は「これしかないんだ」と言って、缶ビール10本と干からびたチーズを出したと言う。このことに対して、森前首相は「硬くて食えたもんじゃない。普通、鮨くらい出すだろう」と記者団に文句を言っていた。それから10日ほど経って、その干からびたチーズとは、フランス産の高級チーズ「ミモレット」であったことが判明。これがワイドショーで取り上げられ、以後、ミモレットの売上が急増したのである(私もそれに貢献した一人だ)。

 ちなみに、記者団もニュースでも、誰も突っ込んでいなかったが、私は「普通、鮨くらい出すだろう」という森さんの言葉を聞いて、「首相公邸で鮨を出すってことは、出張の握りサービスを頼むってこと?それって一人分で何万円かかるのよ?!まさか、パックとか出前の鮨じゃないもんね。たとえば、銀座久兵衛の出張サービスは、19万2千円(世界バリバリ★バリューより)。それ、我々の税金で賄うんだよね。へぇ、あなたは、いつもそんなことをやっていたのね!」と、勘ぐってしまった。チクショー、うらやましすぎる。こんなことなら政治家になればよかった。

 話しがだいぶ逸れてしまったが、チーズの話しである。ミモレット、24ヵ月熟成ものを買ってきた。森さんが食べたのとは違うのかもしれないが、私は一口食べて、すごく旨いチーズだと思った。良い買い物をしたと思った。乾燥熟成させたこんな美味しいチーズに「干涸びてる」と文句を付けた森さんは、きっとミモレットの購買意欲を促進するための、ひいては日本経済回復のための話題づくりとしてわざと演技をしてくれたのだと思う。多数の記者やTVクルーを前にして大変な演技力を要するだろうし、味がわからないのか、との非難も甘んじて受けなければならない。凡人にはなかなかできないことだ。やっぱり政治家じゃなくてよかった。

●ミモレットの詳細は、ここが詳しいようだ。

ミモレット

24ヵ月熟成モノのミモレット。カラスミに似ていると言われるが、私は似ていないと思う。カラスミのネットリした口触りとはぜんぜん違う。「チーズ界のカラスミ」という表現ならわかるけれど。


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bottan
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