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築地の寿司くらべ寝台列車に乗り込み、狭いベッドの上に横たわった。 私は、東京に引き戻されて行くレールの上に乗っているのだ。鈍行列車の自由気侭な旅とは思ってみても、結局はレールの上に乗っているのであった。そう、電車には誰かが作ってくれたレールがある。しかし、人生にはレールはない。よく10代の若者が、親に敷かれたレールに乗りたくないといって反発するが、あれは間違いなのであった。勉強して良い大学に入り、良い会社に入るという既定路線。路線といっても、実はそこには敷かれたレールはなく、そういうことをするにもすべて自分で築いて行かなければならないのだ。何をしようと、何を考えようと、自分のレールは自分で敷かなければならないということになかなか気がつかない。自分の未来を切り拓くことは、価値ある行為である。しかし、さらに言えば、誰にとっても未知なる世界を開拓し、他の人々が乗りやすいようなレールを敷くということは、もっと価値のあることなのだろう。 一眠りすれば、私は自動的に東京にいる。
東京に着くと、まだここで旅を終わらせたくないという少しのわがままと、日本海の魚と東京の魚、どちらが旨いのかを比較しなければこの旅は終わらないという思いで、築地市場へと向かう。 一軒目:龍寿司。スミイカ、ホッキ貝、赤身を2貫づつ。 二軒目:弁富。スミイカ、ホッキ貝、シマアジを1貫づつと、赤身を2貫、それに鉄火巻。 三軒目:寿司大。シロイカ、スミイカ、ホッキ貝、ヒラメ、金目を1貫づつと、赤身2貫。 四軒目:き楽。コチ、クエ、ヤリイカ、赤身を2貫づつ。 食いも食ったり、26貫と1巻。 ホッキ貝は、値段、量、旨さ、すべてにおいて日本海の圧倒的勝利。たぶん、貝類は獲れた場所で食べる方が旨いのだろうと思う。 き楽のヤリイカはなかなかだった。イカの外皮だけでなく、中の皮も厚めに切り取ってあるという。こうすると、より柔らかくなり、純粋にイカの旨味だけを味わえる。活きたイカを外皮だけ剥いて、コリコリした触感も楽しむ日本海・北海道のやり方と違っているが、どちらも美味しいと思う。その他のイカに関しては日本海の勝利。 赤身は日本海の方が安いが、旨さは東京だろう。特に弁富の赤身と鉄火巻は秀逸であった。こういう熟成されたマグロは、なかなかない。が、1貫1000円くらい。コストパフォーマンス的にどうみるか・・・。その他の魚に関しては、一長一短あり。ただ、一般論として、日本海の方が安く、量が多く、旨いという結論になるだろうか。 この程度のサンプル量で語れるものではないと思うが、「刺身」、つまり魚の旨さだけで比較すると日本海に軍配があがると思った。が、「鮨」として、魚の熟成や扱い方をはじめ、米の味付けや握りの比較も交えると、東京に軍配があがるようだ。これは東京モンの好みの問題かもしれないが。 まぁ、個人的な主観としてである。 ―――END――― |
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