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富山のます寿司享保2年(1717年)から伝統を紡いできたます寿司は郷土料理の一種であるが、その完成度は高い。実際、時の将軍吉宗から激賞を受けたというし、ます寿司を嫌い、という人は今の処見たことがない。 富山のます寿司の旨さは、米とネタが馴染んでいる押し寿司として魅力と、全体を巻いている笹の香りの魅力の両方にある。個人的には、大阪の柿の葉寿司よりも、江戸前の笹巻けぬき寿司よりも洗練されていて、旨いと思う。 しかし、私はます寿司に大いなる不満を持っている。それは、東京にいると気軽に買えるのは「源」に限られる、ということだ。有楽町の富山ショップではいろんなます寿司が買えるのは知っているがなかなかそこまで行けないし、頻繁に通販をするのも難しい。ます寿司ファンには、ちょっと残念な状況なのだ。だから富山に行ったらぜひ別な美味しいお店のます寿司を買ってみたいと思っていた。 どこのます寿司を買うか決めるため、事前勉強のつもりで「ます寿司」でグーグル検索をかける。ます寿司について言及しているホームページを見て行くと、富山の人たちは皆「源」のます寿司なんてマズイといっているようだ。しかも、ます寿司の中でも、生系とか酸味が強い系とか、いろいろなタイプがあることがわかった。そんなタイプごとに分類できるほどの種類があったなんて・・・これはカルチャーショックであった。私はます寿司についてまったく知らなかったと言っていい。 さらにいろいろ調べて行くと、ます寿司は、本来、富山の神通川でとれる桜鱒だけを使っていたという。そして、桜鱒は4月、5月の魚であるらしい。桜が咲く季節にとれるので桜鱒というのだそうだ。しかし現在では一年を通してます寿司を安定供給するために、他の地域の鱒や、はたまた別種のサーモンなども使用しているという(あんま正確なことはわからんけど)。まぁ、それ自体は生産者が暮らして行くために仕方のない行為であるから責めているわけではないが、ます寿司に使っている竹の青笹の香りが最も高まる時期は5月であるというから(笹にも旬があったのね!)、本当の本物の桜鱒を使ったます寿司が最も旨い季節は5月!ということになる。一見、保存食のように思えるます寿司にも旬があったということに驚いたのだ。目から鱗。 私のます寿司探究の旅は、やっとこれからはじまるのだった。
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