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全体的な不満について先にも述べたが、麺とスープがバラバラであり、ラーメンに一体感を感じたことがない。何を食べさせたいのかまったく理解できない。もちろん、こういうスープにはこういう麺が合うだろうとか、スープに対して麺を変えることをしている、あるいは麺に対してスープを変える努力をしているお店があるのは知っているし、そういう努力が行なわれているのも知っている。そういうことを知っていて、あえて言う。ラーメンとはいまだ研究がはじまったばかりの料理であると。 だからまず、ラーメン屋さんは次の質問に明確に答えて欲しい。 ・一体ラーメンって何? ・ラーメンとは何を食すものなの? ・ラーメンとはどこから箸をつけるべきなの? 私は、ラーメンを食べていて、これらの答えがまったく見えてこないのだ。 たとえば、蕎麦の例で言うと、明らかに蕎麦粉を使用した麺を食べるものだ。だから順序としては蕎麦から食べる。また鴨南蛮とか天ぷら蕎麦とかいろんなバリエーションはあるが、蕎麦には「せいろ」という一本筋の通ったメニューがある。その中で、それぞれのお店がどう発展進歩していくかという問題はあるだろう。あるいは、客にも十割とか二八とか、田舎とか更科とか、ツユは辛いか甘いかという好みはあるにせよ、店側にも客側にも共通して立ち返れる一皿があると思うのだ。それが「せいろ」である。 うどんの場合はもう少し複雑かもしれない。醤油だけでなく、味噌もあるし、麺の太さも各地によってかなりまちまちだからだ。しかしながら、どの産地のうどんにしても、うどんを旨く食べるには、ザルやカケ、あるいは釜上げが一番だという日本料理の基本があると思うのだ。とにかく、うどんという麺が美味しいかどうかだろう。これはソーメン、冷や麦にしても同じことである。 パスタにしてもアーリオオーリオが一番旨いのは周知の事実だろう。トマトソースやチーズ、バジルなどそれらも確かに旨いが、それらはあくまでバリエーションであって、西洋の麺料理にも行き詰まった時に立ち返れる根本があると思うのだ。そして、アーリオオーリオを作るのが一番難しい。 これらのかなり確立された料理に対して、ラーメンはかなり不確かだ。立ち返る根本がない。またラーメンは麺主体の料理というより、麺、スープ、具の3つが一体となった料理のように思える。これがまたまたラーメンの不確かさを加速させているように思える。 では、改めて「ラーメンはかなり不確かだ。立ち返る根本がない」ということについて検証してみたい。最初に述べた疑問であるが、ラーメンって何?と説明を求められた時に、多くの第三者の共通認識を得て答えることが難しい。獣肉スープに小麦粉の麺でチャーシューとメンマを乗せたもの。確かにこれはある種の様式美として確立されている。しかし、魚介系だけのスープを出す店もあるし、麺に米をブレンドしてるところもラーメンを名乗っている。御当地ラーメンとか、御当人ラーメンという言葉があるように、ラーメンの定義は作る人の数だけあるという意見もわかるが、それは「全部できます、は何もできませんに等しい」という格言が示すように、「全部ラーメンです、はどれもラーメンではありません」ということになってしまわないだろうか。良く言えば百花繚乱、悪く言えば混沌だ。 新横浜のラーメン博物館によると、日本のラーメンのルーツは4つあるという。1910年に開店した浅草の来来軒。1921年にラーメンをメニューに加えた札幌の竹字食堂。そして喜多方と久留米。どれも中国の麺をベースにしているのだと思うが、ここにもラーメンが混沌としている理由があるのではないか。それぞれが立派な御当地ラーメンとして努力していることは十分に理解できるのだが、ラーメンと一口に言った時、根本がない。新しい食の文化だから、何十年、何百年とかけて進化していき、根本的なものができあがっていくだろう、という意見もわかる。しかしどうにも複雑多岐にわたるこの方向性は止まりようがないように思える。まぁ、こればかりは現状がそうなのだから、私にはなんとも言えない。歴史が解決するしかないのであろう。 結局のところ、ラーメンは、東京ラーメンとしてはこうだとか、トンコツラーメンとしてはこうなんじゃないかとか、個別にしか語ることができなくなっている。これが総体的なレベルの低さにつながっているのであろう。 だから、まず「ラーメンとは」という話しになった時に、我々は根幹的に立ち返ることのできる絶対唯一のメニューを作るべき(持つべき)なのである。でも、それはいろんな反発もあるだろうから、意図的に作ることは難しいだろう。だから、誰もがそのジ・メニューに対して自然に眼を向けるようになる日が来るまで、結局は待つしかないのである。そして、その日は来るンじゃぁないかと思っている。それを一体誰が作るのか。そう考えると、やっぱりラーメンは楽しい。 |
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