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一万円カレーを食す!


 なんだかB級グルメに位置付けられることが多いカレーライス。しかし、たかがカレーと思ってみても、「スパイスを30種類使ってます」とか、「1週間かけてルーを作ります」とか、様々なこだわりを持って作っているお店も多々存在することは事実だ。それに、自分のカレーこそ一番だ!とこだわりを持って作っている一般人だって多いだろう。身近なところから、高級指向のカレーまで、カレーは日本人を、そして旨いモノ好きを惹き付ける。されどカレーなのである。

 そうした中で、「一万円カレー!」という響きは、あま〜い誘惑を秘めている。一体、どんな姿形をしているのか。どんな素材が使われているのか。どんな究極的な味わいなのか。その言葉を聞いた者は、あっという間にその言葉の虜となる。刺激された妄想は風船のように簡単には破裂せず、実際に食してみるまで、日々、ずっと膨れ続けるのである。これまでに創作されたどんなキャッチフレーズも、世界中の広告賞を総なめにした名コピーをもってしても、一万円カレー!という言葉の魔力にはかなわないのである(たぶん)。

 私の知る限り、一万円カレーは、2つある。いや、あったと言うべきか。資生堂パーラーの「伊勢海老とアワビのスペシャルカレーライス」と、横濱カレーミュージアムの「究極の萬カレー」である。

 後者の「究極の萬カレー」は、昨年(2005年)9月、一ヵ月間だけの期間限定メニューとして登場し、話題になった。肉は日本最高級と言われる米沢牛、多くの食通から幻の米として珍重されている武川米、生で食べると栗のような甘い味わいのある利根町の人参など、貴重な素材を惜しみなく使い、最高の味を追求したものだという。私もぜひ食べてみたかったのだが、予約しようと思ったら二人前からの受付ということで、一緒に行ってくれる相棒を探すも見つからず、一人で食べたら一万円カレーどころか二万円カレーになってしまうしなぁ、と思い悩んでいたらあっという間に期限が過ぎてしまった(その後、期間が3ヵ月間に延長されたことを今になって知る)。

 「究極の萬カレー」亡き後、一万円カレーの雄は、もはや資生堂パーラーの「伊勢海老とアワビのスペシャルカレーライス」しか存在しなくなってしまった(たぶん)。というわけで、カレーの最高峰を食わずして、カレーを語ることはできないという熱き想いと使命感(何の?)を胸に、資生堂パーラーの扉をくぐったのであった。といっても、お代は一緒に行った方持ちだったのですが(多謝!)。

■一万円カレーを食す! 目次
プロローグ
・いざ、銀座8丁目へ

第一話
・伊勢海老とアワビをジュージュー焼く

第二話
・ついに登場、一万円カレー

第三話
・ア、アワビの肝がないっ!

エピローグ
・一万円カレーを考える






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