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ナポリピッツァの本当の正体をさぐる。真のナポリピッツァとやらと食べに、ナポリまでやってきた。 ちなみに真のナポリピッツァとは、「真のナポリピッツァ協会」が定める条件に従ってピザを作り、協会に認められた店だけが名乗ることが許されている。真のナポリピッツァの店かどうかは、「VERA PIZZA」というロゴ文字の下に、ナポリの伝統的な道化師がピッツァを焼いている絵が描かれている看板を掲げているので、すぐに判別することができる。この看板は、真のナポリピッツァ店しか使用許可されていないのだ。 ところが、ナポリには2泊しかしないのに、困ったことが起きた。私は、ナポリピッツァのなかでも一番有名であろうマルゲリータというピッツァが好きなのだが、マルゲリータの発祥の店とされている「Brandi(ブランディ)」は、真のナポリピッツァ協会に加盟していないのだ。 夕食たったの2回分、両方とも真のナポリに行くか、1回はブランディとやらに行ってみるか。現地に着いてもずっと迷っていたのだが、夜、ナポリの街を腹が減って死にそうになるまでグルグル探索していたら、偶然、目の前にブランディが現れた。というわけで、1回目の夕食は運命のブランディで決まり。2日目に真のナポリに行ったのだが、店の名前が難しくてなんという店が忘れてしまった。セントラル駅のすぐ側であった。 ブランディのピッツァは、本当に美味しかった。しかも直径30cmくらいはあろうかという大きさでありながらも、確かたったの500円くらいであった。日本とは物価の違いはあれど、この値段はやはりナポリの大衆食であることの証だろう。 2日目の真のナポリピッツァの方は、形がちょっと長方形っぽくていびつだったけれど、ブランディよりもさらに大きかった。なのにたったの2.4ユーロ(140円換算で336円)!信じられない安さである。ブランディの方が高かったのは、店の格式にもよるだろう。ブランディは多くの観光客も対象にしたちょっとおしゃれな店であった。外観の風格もすごいし。が、2日目の店は、完全にイタリア人向けの店だったように思う。だから何を食っても量が多くて安かった。 それにしても、日本はいったい何が高くて、ピザ1枚1000円も2000円もするのだろうか?私は帰国後、日本の真のナポリピッツァ認定の店にも行ったけど、気安さという意味では真のナポリピッツァとして認定できないなぁという気持ちになった。もっともっと大衆食になるよう努力しない限り、あんなモンは真のナポリピッツァではないのである。と、私1人が反論しても認定が取り消しになるハズはないけどね・・・。 さて、味の方であるが、どちらの店もやはりピッツァの生地がめちゃ旨い。具とのバランスや焼き方などピッツァ全体の出来としては、ブランディの方がかなり洗練されていたけれど、生地だけとって見ればほとんど同じ旨さだったように思う。特に共通していたのが、かんだ時の感触である。「サクッ、もちっ」という感じなのだ。またこれも比較対象にして申し訳ないが、日本の店では「もちっ、も〜ちっ」であった。たぶん、湿気などの違いが焼き上がり具合にものすごく影響があるのだろう。だからこれは仕方のないことだと思うが、そういう違いは感じられたのであった。ジローラモさんが、ナポリのピッツァはナポリでしか食えないと言ってたが、たぶんその意味の一部はこういうことなんだろうなぁと思った。 トマトソースの味がトマトっぽいという違いも見受けられた。トマトソースだからトマトっぽいのは当たり前なのであるが、日本の場合、どうもトマトソースをソースっぽく仕上げるよう努力しているのだが、ナポリのピッツァはトマトを潰しただけ、のような素朴なテイストであった。 あと意外にも、チーズの量が、生地の面積と比較すると少ない。日本の場合、生地の全面にチーズが撒かれているが、ナポリのピッツァはトマトソース部分と5:5くらいの比率であった(数値の根拠はないです)。だからピッツァを食べても、意外に口や胃がサッパリしているのである。後日、帰国してすぐに日本の真のナポリピッツァの店に行ったが、ナポリで食べたピッツァよりも圧倒的に小さいクセに、チーズが多過ぎ、脂多過ぎで胃が一杯一杯になってしまった。日本の場合、ピッツァを一品として完成させようとしているのではないか。ナポリのはスナック感覚である。そういうピッツァに対する精神構造が違うという意味でも、日本は真のナポリピッツァにはなれないのである。そんなことを感じたのであった。
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